無線モジュールの受信性能を表すパラメータとして 受信感度 があり、どのくらい弱い電波を受信できるかの指標となります。
この受信感度の測定の際、測定系のセッティングを誤るとRF電力をいくら落としても受信してしまいます。
上図のようにTXにATTを介してRXのRF電力を-125dBmにしていますが、エラーもなく受信できてしまいます。
この現象は MODULE[TX] の出力がケーブルから漏洩して MODULE[RX] にケーブルより大きいRFが入力されているため発生しています。
ケーブルからの漏れを防ぐために金属ケースに無線モジュールを格納します。
以下のポイントに気をつければより理想的な環境に近づくと思います。
・TX、RXどちらも金属ケースに格納する。
・金属ケースへの加工は最小限にする。
・ケースの蓋はネジなどで隙間がないように固定する。
・金属ケース内にATTをいれて放射電力を小さくする。
・RFケーブルは(ダブルシールドなどの)シールドが強いものを使う。
無線の測定には 電波暗室 や シールドテント などが必要なこともありますが、設置スペースやコストが大きくかかってきます。
モジュール程度の大きさであれば本稿のような対策でも十分対向通信の測定が可能となります。