昇圧型DC/DCコンバータのノイズ対策

はじめに

無線モジュールを使用する際に、電源ラインや機器内にノイズが存在すると受信感度を劣化させることがあります。 今回はノイズ源となりやすいDC/DCコンバータのノイズ対策方法をまとめます。

回路図

対策

①LPF

• 対象

　ノーマルモードノイズ、放射ノイズ

• 機能

　LCのLPFでノイズを低減させる。

• 実装位置

　DC/DCコンバータ出力

• 注意点

　フィルタ効果をあげるには定数を大きくする必要があり、部品サイズも大きくなる。

②フェライトビーズ

• 対象

　ノーマルモードノイズ、放射ノイズ

• 機能

　高周波に対して抵抗として機能し、ノイズを熱に変換する。

• 実装位置

　フィードバック抵抗前

• 注意点

　インダクタ同様に低い周波数には機能しない。

　ターゲットにする周波数で部品の選定が必要である。

③RCフィルタ

• 対象

　ノーマルモードノイズ、放射ノイズ

• 機能

　スイッチングによるリンギングを低減する。

• 実装位置

　FETゲート前

• 注意点

　効果を高めると、変換効率が悪くなる。

④スナバ回路

• 対象

　ノーマルモードノイズ、放射ノイズ

• 機能

　スイッチングによるリンギングを低減する。

• 実装位置

　FETドレイン-ソース間

• 注意点

　効果を高めると、変換効率が悪くなる。

⑤閉磁路パワーインダクタ

• 対象

　放射ノイズ

• 機能

　トロイダルコアをの特性を利用して放射ノイズを低減する。

• 実装位置

　スイッチング用インダクタ

• 注意点

　効果がある構造になるほど、大きく高価になる。

⑥その他

• コモンモードノイズの対策

　コモンモードチョークコイル

• 放射ノイズ

　基板にシールドを実装

終わりに

基本的には 効果 と 面積・価格 は天秤にかけられます。

DC/DCコンバータの性能や実際に出ているノイズを把握し、効率的に対策する必要があります。